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日野市のSさんのこと

昨日、日野市のSさんから寒中お見舞いの葉書が届いた。
てっきり、昨年喪中葉書を出したから、その年賀状代わりだと思ったのだが、文面を見て愕然となった。

昨年11月、喪中葉書を見たSさんから電話を頂いたのだが、妻との思い出を話されている最中に泣かれたのには困惑してしまった。
その時、奥様もガンに罹っていて保険外の陽子線治療を受けているのとことだった。
快復に向かっていると話されていたが、昨年暮れ、急逝されたとその葉書に書かれていた。

北海道100名山を幾つか一緒した札幌のUさん以外読者には関係のない話だが、これからSさん(と奥様)の思い出を書こうと思う。

Sさんとは、私が利尻島赴任中の平成6年6月、利尻山沓形コースを下山中に出会った。
テントや寝袋など25kg以上ありそうな大型ザックを担いだSさんは、急斜面の登山道に刈られたばかりの笹が、そのまま処理されず滑りやすい状態だったので、何度か転倒し起き上がるのが大変そうだった。
後ろからそれを見、そこから登山口まで一緒した後私の車で沓形のキャンプ場まで送った。

東京の山岳会に所属し、海外の遠征経験もあるSさんと2年後の平成8年7月、幌尻岳と戸蔦別岳に登る事となった。
北海道の山なのに、Sさんにガイドされカール下の七つ沼でたった二人きりのテント泊は、生涯忘れないだろうと思う。
雪渓から沼に流れ込む水は清く冷たく、テントの回りに広がるお花畑と、夕陽に赤く染まってゆっくり流れる雲をただただ呆けたように眺め、まるでここは天国かとの思いだった。

下山後我が家に泊まってもらい、妻の料理を味わった翌日は樽前山へご案内した。
Sさんが帰京した数日後、アウトドア専門店「カモシカ」オリジナルの大型ザックが礼状と共に送られて来た。

それから7年後の平成15年7月、私と札幌のUさんは、Sさんの貸家に泊めてもらってSさんの山仲間と一緒に富士山に連れて行ってもらった。
山頂で、測候所の職員から所内を見て行って下さいと言われたのが懐かしい。
翌日は、槍ヶ岳も案内してもらう予定で出かけたものの、雨天のために手前の小屋から引き返した。

翌年の平成16年7月、ピパイロ岳にテントを張り、Sさんや札幌のUさん達4名で2泊して伏美岳から戸蔦別岳までピストンしたが、自分用の水だけでも9リットル以上担ぎ上げたのは辛い思い出だ。
だが、北戸蔦別岳のお花畑で、雪渓の雪とコンデンスミルクでご馳走したかき氷に、Sさん達の大喜びした笑顔が鮮明に思い出される。

それから2年後の平成18年の7月、二人で美瑛富士の避難小屋に泊まり、富良野岳からオプタテシケ山まで歩き、十勝岳経由で下山したが、この十勝岳の登り返しは蟻地獄にはまったようで大変辛かった。

そして、定年退職した翌年の平成20年9月、丹沢山系の100名山を巡った後、Sさん宅を妻と訪ね、ご夫妻から歓待を受けた。
ステンドグラス作りが趣味の奥様からスタンドをプレゼントされ、今我が家にあるそのスタンドが奥様の遺品となってしまった。

愛妻家だったSさん、これからの日々を思うとおかけする言葉が見つからない。
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写真の私が被っている帽子は、Sさんがネパールに遠征に行った際のお土産だが、暖かいからと今まで妻がずっと使っていたもの。妻が亡くなった今は私が使っている。1月7日多峰古峰山でMさんの撮影

# by tarumae-yama | 2017-01-13 07:52 | 日々の出来事 | Comments(2)

紋別岳から748mピークピストン、2017.1.8-その2-

ガスで真っ白な紋別岳の頂上で15分ほどのおやつタイム。
晴れるとの予報を信じて748mピークに向かった。

紋別岳からこの748mピークへの歩きは、5年前に支笏湖の外輪山一周を達成以降、私のお気に入りの区間となっている。

そこそこの体力があれば、数時間で紋別岳から748mピークを経由してイチャンコッペや幌平山へ縦走することが可能だが、この区間はとにかく労少なく眺望が素晴らしいという点ではピカイチだと確信する。

これから雪が締まってくればもっと歩きやすくなるし、トレースがあれば紋別岳の頂上から1時間かからずに748mピークに立てると思う。

山行記録
紋別岳頂上10:27→748mピーク11:40~12:15(昼食)→保全道路13:05→登山ポスト13:56
写真の上でクリックすると大きくなります。
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樹氷の中を進む同行者
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尻滑りを楽しむN君
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尻滑りで勢い余って前転したゆかさん
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青空をバックに樹氷の美しさに同行者から感動の声が上がる
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枯れ木に乗るSさん
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同上、Uさん

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中央右に目的地の748mピーク。その奥に恵庭岳。748mピークの左側に今日イチャンコッペ山?に向かったと思われるスノーシューのトレースが見える
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748mピークの途中から、奥に紋別岳のアンテナ塔が見える
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逆光の支笏湖、奥に樽前山と風不死岳。トレースは縦走者のもの
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午後から用事があるとのことで、N君とゆかさんは昼食も摂らず748mピークから下山。我々の太いトレースの右に縦走者のトレースが見える
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748mピークで昼食中のSさんとUさん
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748mピークの南斜面に亀裂が走っている
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素晴らしい景色が広がる
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748mピークからの下山時、少し登りがある
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紋別岳直登コースからの下山時に撮影
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尻滑りを楽しむUさん
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同じくSさん
# by tarumae-yama | 2017-01-12 07:22 | 登山 | Comments(10)

紋別岳から748mピークピストン、2017.1.8-その1-

前日降雪があったらしく、トレースの上に10cmほど新雪が乗っていた。
我々は駐車場からスノーシューを履いて曇り空の下をスタート。

何時ものことだが、(距離)1800m標識を超える辺りから吹き溜まりがころどころ出てきた。
もっとも、今回は吹き溜まりと言えるような大きなものはなく頂上までは割とすんなり登れた。

保全道路の途中から電柱沿いの直登コースを使い、無人の頂上に立ったけれど、ガスの中で真っ白な状態だった。

山行記録
登山ポスト08:16→頂上10:13~10:27
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入山届に記入して
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前方の頂上部は雲の中でアンテナ塔が見えない
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保全道路の途中から電柱沿いの尾根コースへ
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雲に入りつつある
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頂上は目前
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頂上で同行者の記念撮影
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しばし休憩後、目的地の748mピークへ
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直登コースを少し下り
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一度保全道路へ出るためショートカット
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保全道路に出たところで、ヤマレコでお馴染みのkearashi57さんとバッタリ。私がブログで紹介したスノーシューを履いていたので、そのスノーシューの話で盛り上がった。昨年、目国内岳でスライドしている(らしい(^^;))
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途中、紋別岳のすぐ西にある780mの等高線で囲まれたポコ(前方)に登る事に。ガスが切れ青空が現れだした
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青空がどんどん広がり、テンションが上がる
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GPSもスマホも家に置いて来たので、大雑把だが手描きで歩いたコースを表示した。赤線が行きで青いラインが保全道路までの復路
# by tarumae-yama | 2017-01-11 07:47 | 登山 | Comments(0)

多峰古峰山、2017.1.7

多峰古峰山は展望の良い山だし、トレースが使えるなら1時間半程度で登れる手軽な山なので結構好きだ。
ただ、ゲート前には車が1台かせいぜい2台しか停められず、駐車に毎回悩まされる。

今回、ゲート前のスペースは除雪されていなかった。
だが、国道の歩道部分は除雪されていて先行者もそこに路肩駐車をしていた。
我々は、歩道が除雪されていない可能性を考え、スコップを車に積み込んでいたけれど、これは有り難かった。

ゲートのところでスノーシューを履き、先行者のトレースを使わせてもらった。
そのトレースも年末か年始のものか不明だが、古いトレースをたどっている様子。

積雪は辛うじて足りていたけれど、何よりまだ雪が締まっていないから、トレースを外すと膝くらいまで埋まる。
スライドしたときに先行者が知人と分かったのだが、さすがベテランだしこの山を何度も登っていると思われ、理想的なコース取りだと感じた。

頂上直下から樹木越しに羊蹄山や尻別岳が見えるのだが、今回は雲に隠されていて残念だった。
それでも、晴天無風の気象条件は寒さに弱いUさん、M夫人には何よりだったろうと思う。

M夫妻には2度目の多峰古峰山らしいので、頂上からの景色はまだまだ新鮮だろうし、まして初めて登ったUさんは展望の良さに感動を覚えたと思う。
もちろん、写真を撮るのが好きな私にとっても今日の青空は嬉しい事だった。

山行記録
ゲート前08:18→多峰古峰山頂上10:28~11:33(昼食)→ゲート前12:55
写真の上でクリックすると大きくなります。
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ゲートからスノーシューを履いて
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今年初山のM夫人は相変わらずのハイテンション
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スライドした南幌町のSさん。顔出しは何時も遠慮されるので後ろ姿を
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中央右側にオジロワシが飛んでいる
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今年初めてお裾分けした自家製HG(干し柿)を持って
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ビビとM夫妻
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支笏湖と奥に恵庭岳
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左端に恵庭岳、右にイチャンコッペ山や紋別岳の山並み

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太平洋がキラキラと輝いている
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何の話で盛り上がっているのか
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笹の影を撮影
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頂上標識の前で記念撮影
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無事下山

# by tarumae-yama | 2017-01-10 07:32 | 登山 | Comments(0)

紋別岳から748mピークピストン、2017.1.8-速報版-

今日は、予定通り紋別岳から隣の748mピークまでピストンした。

登山口の駐車場でソロの女性がスタート直前の様子。
何と、2年前、4名で北白老岳や恵庭岳に登った時のSさんだった。

思いがけない出会いから、我々と一緒に登ることとなった。

紋別岳の頂上はガスの中で眺望はなかったけれど、748mピークに向かいだした直後からガスが切れ始め、青空をバックに樹氷の白く輝く様は息を飲むほど素晴らしかった。

何となく、今日は晴天に恵まれないかもと紋別岳の頂上で危惧していただけに、期せずして同行者から歓声が上がった。

速報版としてとりあえず写真を3枚アップした。
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748mピーク、奥に雲の上から岩塔を覗かせている恵庭岳

# by tarumae-yama | 2017-01-09 00:08 | 登山 | Comments(6)