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カテゴリ:その他( 929 )

「あの戦争から遠く離れて」

今日は妻の月命日なので、朝、強風の中お墓参りに行ってきた。
病室で息を引き取るときの妻の様子をまざまざと思い出すことが出来るけれど、あれからもう3年半が経った。

家でふさぎ込むことも不眠症になることも痩せもしなかったのは、多分私が死に冷淡なためなのだと思う。
そうであっても、妻の死は今でも受け入れられずにいる。

昨日は終戦記念日だったけれど、孫の誕生日のお祝い会でもあった。
かろうじて戦後っ子の私だが、幼い頃のお腹を空かせたひもじい日々はしっかりと記憶にある。
その点、子供や孫が何不自由なく育ってきたこの豊かで平和な時代を何よりと思う。

前置きが長くなったけれど、たまたまその終戦記念日に、城戸久枝の「あの戦争から遠く離れて」を深夜遅くまでかかって読了した。

もう12年も前に出版されたことも、10年前にNHKで「遙かなる絆」というタイトルでドラマされたことも全く知らなかったけれど、書かれている内容の重さに何度も涙した。

著者の父親は、戦争残留孤児として中国人の養母に3歳から25年間も愛情深く育てられ、その後文化革命の吹き荒れる最中に命がけで帰国し、実の両親と再会を果たしたものの、日本語が分からずその後の人生も筆舌に尽くしがたいものがあったらしい。
そんなまるでドラマのような父親の生き様を、娘が10年もの歳月をかけ、そして肉親のことなのに、むしろ淡々と記述していることが驚きだった。

この本は、大宅壮一ノンフィクション賞や講談社ノンフィクション賞など3賞を受賞したとのこと、さもありなんと思うほど胸にしみこんで来る本だった。

出版されてすぐに評判になったそうだが、無知無関心ぶりが恥ずかしい(^^;)
参考までに↓


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瀬尾まいこの本は、一月ほど前に紹介した2019年本屋大賞を受賞した「そして、バトンは渡された」が面白く、その後ずっと彼女の本を読んでいる。中でも「おしまいのデート」にある「ランクアップ丼」は泣かされた。彼女の本は、池井戸潤のようにどこかワンパターンとは思うものの、心を癒やしてくれるストーリーが多いように思う


by tarumae-yama | 2019-08-16 15:22 | その他 | Comments(2)

山田詠美の「つみびと」

地元図書館の予約ランキングベスト10に入っていたタイトルの本を読み終えた。
あらすじを説明するのに自信がなく、ネットから借用した↓
著者山田詠美の20代の処女作「ベッドタイムアイズ」を昔読んだことがあるけれど、同棲相手のアメリカ兵との赤裸々な性描写に辟易(興奮!?)した覚えがある。

現役の女子大生エロ漫画家として話題になったこともあるらしい、そんな山田詠美に良い印象が持てず、以後彼女の本は読んでいなかった。
だが、その後の彼女は直木賞を受賞し、今では芥川賞の選考委員を長年やっているらしい。
年齢も今年還暦を迎えたと「ウィキペディア」で知った。

「つみびと」は、2010年に大阪で起きた「二児置き去り死事件」に着想を得たそうだが、まるで当事者から綿密に取材したかのような描写に驚く。
それは、風俗店で働く若い母親とその母親、そして置き去りにされた4歳の長男の3者による視点というか胸の内が、代わる代わる述べられていて、その著者の創作力や表現力の豊かさ巧みさに圧倒された。

内容は余りにも暗くて重いけれど、女子大生エロ漫画家と言われた同じ人物が書いたものとは到底思われず、ただただ感嘆!
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「つみびと」と並行して読んでいた写真の本は、山岳小説として無条件で楽しめた。
エベレストに世界で初めて登頂したのかいまだに謎になっているマロリーのカメラが、日本人登山家に回収されてカトマンズで売りに出されていたと言う話は、もちろんフィクションだが、主人公の羽生丈二やライバルの長谷常雄は、多分有名な登山家の森田勝と長谷川恒男がモデルになっているのではと本を読んでいて想起される。蛇足だが二人とも海外の山で遭難死している

by tarumae-yama | 2019-07-17 14:54 | その他 | Comments(0)

「北の山の栄光と悲劇」他

先日、山友がタイトルの本を貸してくれた。

元道庁の職員で、私より10歳上の滝本幸夫という著者に面識はないけれど、坂本直行、深田久弥、田中澄江氏などと親交があったらしい。

まだあとがきしか読んでいないのだが、目次を見ると初登の山に挑む苦闘ぶりや、雪崩による大量遭難、あの有名なカムエクウチカウシ山での熊に襲われた福岡大学のパーティーの話など道内の山で起きた記憶に残る事故が網羅されている↓
もっとも、この本は34年ぶりに復刻版として再販されたものだから、その後の遭難等については記されていない。
そして、復刻版の表紙を飾る写真は、これまた著者と交流のある梅沢俊氏の写真が使われているとのこと。

蛇足ながら、写真の真ん中の本は図書館から何気なく借りて来たものだが、著者は、あの大ヒットした映画「トップガン」に敵国の戦闘機パイロット役として撮影に協力した海軍の名パイロットだったらしい。

これもまだ四分の一も読んでいないけれど、撮影の裏話?等が面白い。
この映画で、主役のトム・クルーズは一躍スターダムにのし上がった。
それにしても、この映画はもう上映されてから30年以上も経っているとは。
そして、この「トップガン」の続編が来年の6月に封切りされるらしい。

写真の左の本も今並行して読んでいるのだが、先日紹介した「あちらにいる鬼」のモデルにもなった瀬戸内寂聴に興味を持ったので、彼女の「わかれ」を借りて来た。

今まで寂聴の本を読んだことがなかったけれど、90歳を過ぎて書いたとは思われない軽妙なタッチに驚く。
まあ、枯れない女(ひと)だ。
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by tarumae-yama | 2019-06-18 06:05 | その他 | Comments(0)

「ハドソン川の奇跡」

先日NHKFMから、映画「ハドソン川の奇跡」で使われた曲が流れ、突然この映画を観たいと思い、早速「ゲオ」に行って借りて来た。

10年前のこの航空機事故のことは覚えているけれど、もっと昔の出来事だと思っていた。
「ウィキペディア」によると、監督のクリント・イーストウッドは、映画の撮影のためにエアバス社製の機体を購入したり、当時の救助船を使用したり、また事故機の救助関係者など7年も経っているのに、当事者本人を多数出演させたりしてリアルさに拘ったらしい。↓

とは言うものの、事実と映画のストーリーはかなり違っていて、結構ドラマチックに盛り付けているらしい。

それでも視聴後、機長役のトム・ハンクスの俳優としての演技力には感心したし、何よりこの映画を製作したときのクリント・イーストウッドの年齢が85歳と知って驚いた。

DVDを返却する前にもう一度観よう思う。
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久しぶりに「ゲオ」に行ったので「ハドソン川の奇跡」のみならず、評価の高い作品を含め10枚もDVDを借りて来た。その前に図書館に寄り、池井戸潤の本を2冊借りて来た。面白ければまたも徹夜で読むことになるのか


by tarumae-yama | 2019-02-21 07:28 | その他 | Comments(0)

「空飛ぶタイヤ」

図書館に予約していたタイトルの本、700ページを超えるから、11日の夕食後読み出し、翌朝6時になっても読了せず、またも徹夜をしてしまった。

宮部みゆきや桜木紫乃の本も一時熱心に読んだけれど、今は池井戸潤の小説を一番手にしているかも知れない。

「陸王」や「下町ロケット」、「銀翼のイカロス」などを読むと、彼の小説のコンセプトは、中小企業、勧善懲悪、ハッピーエンドなのだろうと思う。
つまり、モラルと信念を持って夢を希求し続ければ、どんな人にもその先は明るい、となるのか。

「空飛ぶタイヤ」も、中小企業である運送会社を経営する社長が、闇修理やリコール隠しをする自動車メーカーを相手に苦闘する話だが、上述のコンセプトそのもの。

モデルとされるメーカーの車に長年乗っていたから興味津々に読んだ。
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by tarumae-yama | 2019-02-13 07:18 | その他 | Comments(0)

3年日記

3年日記帳を買ってきた。
毎回ブログで3年日記を買ったと書いているはずなので、前回の記事から3年があっという間に経ったことに驚く。

今まで20年近く同じ高橋書店の15番という日記帳を使い続けているけれど、近年は「今日は特になし」と書くたった一行の日が多くなった。

それなのに、この15番の日記帳はA4サイズに迫るほど大きく、一見豪華なので4000円を超えるほど高い。
たった一行なら余りにも無駄だから、今回は安くて小さなサイズに切り替えた。

妻は2年前の1月に入院したので、2016年に始まる3年日記帳は、出だしからずっと妻の体調などについて書いていた。
そして僅か33日で逝ってしまったのだが、2017年と2018年の元旦からスタートするその日記帳は、妻について書かれているのが目に入って辛かった。

まあ、楽しいことも多かったから、前年や前々年の同じ日にそんなことがあったと懐かしむ気持ちも少なからずあったけれど。

2019年(の1月1日)より始まる新しい日記帳には心機一転、「今日は特になし」と書く日が少なければ良いと思う。
そして、2021年の大晦日まで元気で続けられれば何よりだとも思う。
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グァム島への新婚旅行にも大判の日記帳を持参して、新妻に呆れられたことが今では懐かしい


by tarumae-yama | 2018-12-05 07:48 | その他 | Comments(0)

私を構成する成分

何時も観ていて、私のブログで今まで3,4回紹介したことがあるシロクマ妻さんの昨日の記事は、珍しくお遊び的な軽い話題だった。↓
シロクマ妻さんの記事を見て私も占ってみた。
ただ名前を入力するだけで良いらしい。
結果、私を構成する成分は以下の通り。
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当たっているのかそうではないのか・・・・。
いずれにしても、年齢的には棺桶に半分以上入っている身だから夢も希望もないのに、「理想の恋が高すぎる・・・」と断定されてもなぁ~。

もう一度やってみた結果。↓
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当たっていないと思う!(^^)!

ちなみに、妻の名前でも占ってみた。↓
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睡眠大好きという結果に・・・、永遠に眠っているしなぁ~。

by tarumae-yama | 2018-11-28 06:44 | その他 | Comments(0)

「かがみの孤城」

この本も千歳市の図書館予約ランキングの上位に入っていた。
550ページを超えていて、期間中に読了できるか不安だったのだが、途中から面白さが加速し、それは杞憂に終わった。

あらすじを要領よくまとめられず、ネットから借用した。↓

いじめなどで登校できなくなった男女7名の中学生の話だから、暗いテーマと思っていたけれど、「赤ずきんちゃん」やグリム童話の「オオカミと七匹の子ヤギ」を想起させるとても美しくファンタジックなストーリーに一気に惹き込まれた。

終盤の意外な展開には涙腺が緩んでしかたがなかった。
つくづく涙もろくなったと思うけれど、素敵な結末だった。

著者は直木賞を受賞していて、この本は2018年の本屋大賞作品だが、納得の面白さだった。

著者の経歴を見ると、山梨県の笛吹市で子供時代を過ごしたらしい。
話は脱線するが、日本100名山巡りの時に知りあい、毎年ぶどうを送ってくれる笛吹市で果樹園を経営するFさんの奥様は、昔教師だったというからひょっとして教え子の可能性があるだろうか。

本屋大賞でまたまた脱線するが、中学生が作者の「さよなら、田中さん」がとても面白かったと以前ブログで紹介したけれど、その作者鈴木るりかさんの第2弾「14歳、明日の時間割」を予約した。
彼女は本屋大賞が夢だそうだから、何時の日か獲れたなら素晴らしいと思う。
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by tarumae-yama | 2018-11-20 14:54 | その他 | Comments(0)

想い出Ⅷ

日本100名山巡りを始めた2007年の5月、もちろん、山ばかりではなく移動しながらも、妻の希望する名所旧跡や美味しいと評判のお店等にも寄った。駆け足だったけれど(^^;)

広島の原爆ドームや美術館など、私は車内でモバイルパソコンを使ってブログのアップ作業をやるため、妻一人で行かせたことが何度かあり、心細い思いをさせたことに、その時の写真を見て今心が少々痛む。

写真の上でクリックすると大きくなります。

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萩の城下町、2007年5月17日撮影
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美保神社、2007年5月19日撮影
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上の3枚、2007年5月20日、鳥取砂丘
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松浦輝夫氏と一緒にエベレスト初登頂の日本人となった植村直己氏
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上の4枚は、豊岡市日高町にある植村直己冒険館。2007年5月21日撮影

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上の2枚は天橋立。2007年5月21日撮影。この日は妻の誕生日だった
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金沢の兼六公園
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金沢城。上の2枚は2007年5月22日撮影
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明日登ることになった予定外の鷲ケ須山を見ながら夕食。さすがに一月を超える遠征で妻も疲労が蓄積している様子。2007年5月23日撮影


by tarumae-yama | 2018-05-18 07:08 | その他 | Comments(0)

「さよなら、田中さん」

タイトルの本が、とてもとても良かった。
かつてないことだが、図書館に返却する前にもう一度読んだほど良かった。

あらすじは、ネットから借用した。↓


上と重複する説明になるけれど、工事現場で働くお母さんと小学6年生の娘の貧乏な母子家庭という設定なのだが、貧しさを微塵も感じさせない親子の楽天的で前向きな生き方や会話にはクスクス笑わされるのに、たびたび涙が出る。
それは、子を想う母のストレートな愛情と、子が親に示す健気さをそこに見るからだろうか。
この親子関係は本当に素晴らしい。

ともあれ、大人でも使わないような語彙が豊富に出てきてその博識に驚くけれど、5編からなる連作短編集は、個人的に好みの程度はあるものの、どれも魅力的でとても14歳の中学生が書いたとは思えない(9歳の時に書かれた短編も納められている)。

作者鈴木るりかさんのインタビュー記事を下に載せた。↓

これを読むと、つくづく天才少女だと思う。

彼女の夢は本屋大賞を獲ることだそうだが、あながち夢で終わるとは思えない。
と同時に、直木賞や芥川賞を最年少で獲るかもと予感させるような、何とも末恐ろしい、もとい、将来がとても楽しみな中学生だ。

私信
TOMさんへ
もしこの本を読んでいなければ、ぜひにともお薦めしたいです。
湊かなえの「望郷」を薦めてもらったお礼に、特に奥様には読んでいただきたい。
そして、泣けたかどうかの感想を知りたいです。
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しみじみ笑って泣かされたけれど、さわやかな、しかし作者の年齢を知って驚きの読後感だった


by tarumae-yama | 2018-05-07 07:39 | その他 | Comments(4)