前日の続き。 だが、企業名や人物は仮名を使っているものの、事件そのものは事実に基づいているとのこと。 ただ、この事件は県警や警察庁のメンツをかけた大捜査にもかかわらず、犯人の検挙に至らず未解決のまま時効になっている。 小説では主役の記者の地道な調査で犯人の一人が分かり、そこから犯人グループの全容が解明されて一件落着。 どうも私のストーリーを説明する能力が、あまりにもお粗末すぎる(^_^;) ネットであらすじを紹介しているブログを見つけたので、下記にリンクした。 青酸ソーダを混ぜたお菓子がばらまかれたことで、商店やスーパーからグリコ製品が撤去されたり、この事件を契機にキャラメルなどがフィルム包装されたそうだが、そんな時代背景を思い出しながら寝る時間を惜しんで読んだ。 わくわくさせられたとても面白い本だった。終盤では泣かされたけれど(^_^;) 「グッド・フライト、グッド・ナイト」は、イギリスの航空会社でボーイング747を操縦する機長が著者。 航空機に関する本が好きで、国内の機長が書いた本は何冊も読んだし、客室乗務員の機内でほろりとさせる内容の本や、乗客同士のトラブルなど面白おかしく書いた本はやはり何冊も読んだ。 日本国内の機長が出した本は、全般的にまじめというか堅苦しい印象を受けたが、「グッド・フライト、グッド・ナイト」はとても叙情的でロマンを感じた。 昔、何かの本で読んだが、パイロットは理系より文系の人の方が向いているそうだ。 この本を読むと、なるほどと納得してしまうほど文学的だ。 だが、初歩的な航空力学や航空気象学の解説があり、運航管理者や整備士など業務の紹介もある。 ロンドンから世界各地に延びる路線先の都市が出てきたり、機長の家族の話があったりで、内容は多岐にわたるけれど、気持ちを温かくさせてくれる、特に飛行機が好きな読者にお勧めの本だと思う。 ぜひ森ぶらりんさんには読んでもらいたいと思った。 蛇足だが、訳者は防衛大学出で航空自衛隊に10年ほど勤務し、職種は管制官だったというのが異色。 私も昔勤務していた職場の同じ建物に、管制官が何十人?も勤務し、仕事で彼らと接していたから、この女性の元管制官には訳なく親近感を持った。 早速図書館から借りて来て読み出したが、色眼鏡で読むせいか白々しく感じる。 「殺人犯はそこにいる」は、「ブラックボックス」の文中で紹介されているが、伊藤詩織氏が記者会見を開く際にあれこれ相談をしアドバイスをもらったという清水潔氏の著書。 清水氏は日本テレビの記者だが、栃木と群馬の県境で5名もの幼女が誘拐殺害され、その一つ「足利事件」の犯人として刑に服していた菅家利和さんはえん罪ではないかと、清水氏の鋭い洞察力と根気強い調査の結果が書かれていて、そこには強い説得力があると感じる。 まだ三分の一も読んでいないけれど、解決済みとされる事件の再調査は、警察(国家)権力に敵対する行為だろうから、よほどの覚悟が必要だったと思う。 その意味で国家権力に取り入ろうとする「総理」の著者とは対極をなす、気骨ある確固たる信念の人だと思う。このような記者がいることに感銘すら覚える。 書名の「殺人犯はそこにいる」とは、菅家さんが無罪となり、結局5名もの幼女が殺害されているのに犯人が捕まらず、6人目の幼女を狙う者(野放しにされた殺人者)が我々の近くにいるかも知れないという意味らしい。 いたたまれない事件がテーマだが、著者の人柄なのか、文章にユーモアが感じられ、「ブラックボックス」とセットでお勧めしたい。
by tarumae-yama
| 2017-12-03 07:08
| 日々の出来事
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