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遠藤郁子の「序破急幻」その2

 94年6月に起きた松本サリン事件の被害者でありながら第1通報者となったために、翌年3月の地下鉄サリン事件まで警察やマスコミ等から犯人扱いをされた河野義行さんの著書を、昨日改めて読んだ。

 この本の中で、サリンで意識不明のまま入院生活を送っているショパン好きの奥さん(結婚前、エレクトーンの教師で社会人になって習い始めた河野さんを教えていた)のために、奥さんの友人がCD「序破急幻」を送ってくれ、これを聴いた河野さんがあまりの感動でスピーカーの前からしばらく動けなかったと書いてある。

 この「序破急幻」が取り持つ縁で、遠藤郁子が河野さん宅でピアノ演奏をしたり、サントリーホールでサリン被害者のためのチャリティーコンサートが開かれたらしい。
 偶然、河野さんのドキュメンタリーTV番組を見ていたのでホームコンサート等は知っていたが。

 それにしても松本サリン事件で多数の被害者が出たため、犯人扱いの河野さんは警察やマスコミ以外にも一般人から深夜の無言電話や脅迫の手紙等を受け過酷な日々であったらしい。
 
 遠藤郁子自身も、38歳上の高名な音楽家との結婚と離婚、そして乳がんによる苦悩の闘病生活とその後の復帰等々やはり波乱の半生であったようだ。
 
 そんな彼女の人生のいろいろな思いがこの「序破急幻」には込められているのかも知れない。
 
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冤罪なのに過酷な日々を送った河野さんの人柄なのか、看病の様子を含め恨みや愚痴ることなく淡々と書かれている
 
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ショパン弾きから中村紘子を除く訳に行かないが、家内も私もどうも波長が合わない。
ネットで調べると、同じ44年の生まれで、2人とも65年の第7回ショパン国際ピアノコンクールに出て中村は4位入賞、遠藤は特別銀賞を受賞(この時の優勝はマルタ・アルゲリッチ)
by tarumae-yama | 2010-02-01 11:59 | 音楽 | Comments(0)
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