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小池伸介「ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら」

先日、図書館で何気なく手に取ったタイトルの本、とっても面白かった。

現在、著者は東京農工大の44歳と若い教授で、25年間もクマの糞を採取して中身を調べた話だが、クマと森との関係などがとても分かりやすい。
もっとも、北海道にはいないツキノワグマに関しての調査だが、多分ヒグマにも共通の話だろう。

卒論のために学生時代からクマのウンコを集めるのだが、どこに糞が落ちているか分からないからとにかく体力勝負でそのフン闘ぶりが涙ぐましくも可笑しい。

平易な文章で、著者が名古屋出身と言うことからか会話文は関西弁で親しみやすく、イラストも文章にマッチしていて素敵。
だが、内容はしっかり真面目な研究物。
疑問は、徹底した実験やフィールド調査で裏打ちされていて、納得させられる。
アメリカやロシヤ、北欧などにも留学や調査で出かけていて、そこでの話題も興味深い。

種子散布では鳥類の役目が知られているけれど、クマの方が遙かに行動範囲が広く、そこでの糞に含まれる食物の種が発芽して森を豊かにする話もなるほどと思う。

秋田のクマ牧場で実験した糞の話では、クマは食事の後3回から8回脱糞するらしい。
クマ牧場の食べ物に色を付けた種を入れ、それでそれぞれ脱糞するまでの時間を調べて行動範囲を推測したり、その裏付けに電波発信機を付けた首輪でクマを追跡した苦労話や、今はGPSを使って容易になった話、更に首輪から現在位置をメールで知らせるまでにGPSは進化している話には感心した。

冬眠中のクマに首輪を付けようとした際に目覚められ、クマスプレーで襲撃から逃れたものの、同行者の顔にもかかってそれこそ死にそうな思いをさせた話など、私もクマスプレーを浴びて酷い目に遭っただけにその激烈さはよく分かる。

最後に、北海道の登山者は、クマ鈴を付けるのが常識になっているけれど、ノルウェーでは羊に鈴を付けて森に放しているそうで、それでどこに羊がいるか分かるのだが、一方でヒグマもその鈴の音で食べ物があると分かるため積極的に襲うそうだ。
なので、著者が日本ではクマ除けに鈴を付けるという話をしたところ「とんだ命知らず」と言われたそうだ。

いつかクマが、鈴の音で人間に近づいた方が食べ物にありつけると学習したなら、とても恐ろしい思いをすることになりそうだ。

ともあれ、口コミも紹介するけれど、登山をする人もしない人にもとても面白いと思える本なので、機会があれば是非手にして欲しい。
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もう一つ紹介。

これを見れば、本を買わなくて済むかも。

# by tarumae-yama | 2023-09-21 07:22 | その他 | Comments(0)

認知機能検査、2023.9.19

昨日、自動車学校へ行って、運転免許証の更新に必要な認知機能検査なるものを受けてきた。
後期高齢者になると、何かと制約が多くて生きづらい。
この検査に合格しても、講習会に運転の実技もあるというから、若いときのゴールド免許証とは大違いだ。

この3年間交通違犯で捕まっていないから、当然ゴールドなのだが、更新期間は5年間ではなく3年間になったのも何か損をした気分。

認知機能検査そのものは30分程度のペーパーテストだが、最初に1枚に4つの絵を見せられ、それが4枚だから16個の刀やアコーディオン、馬、筆など何の関連性もない絵を記憶させられる。
その後、数字問題が出てくるのだが、それは多分点数には関係なく、ただ、絵の記憶から一時そらすためのようだった。

その上で16個の絵を思い出して書かせるのだが、1枚目の4個はしっかり覚えていたものの、2枚目以降の絵はおぼろげで、結局10個しか回答できなかった。

だが、その後にヒントがあり、それで16個全てを思い出すことが出来た。
最後の問題は、今日の年、月、日に回答時の大体の時間をかかせるというもの。

結局、80代以上の受験生を含め16名全員が合格し、後日の実技を含む講習会の予約をして解散となった。

今回のテストが不安だったので、16個のうち10個しか思い出せなかったのはショックだったけれど、まあ合格と聞いてやれやれだった。
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検査前の教室で撮影

# by tarumae-yama | 2023-09-20 07:18 | 日々の出来事 | Comments(0)

五つのピークを踏んで恵庭岳(202回目)、2023.9.15

ゲート近くに車を停め、登山口を9時26分にスタート。
出だしから登山道が変わっていたけれど、それは倒木のため迂回する道だった。
後は特に変化はなかったのだが、北峰の貴部近く標高1200m辺りから北峰や本峰、西峰などに向かうルートに沢山のピンテがあるため、初めて北峰ルートからの登山者には困惑すると思う。

実際、ヤマップの日記を見ると軌跡をダウンロードしていても迷ったとの記載が幾つもある。
それと、本峰へのロープが変更されていた。
今まで右端に設置されていたロープと鎖は外され、真ん中にロープだけになった。

右端のロープで下りるとき足下が見えず、足の置き場に迷う登山者が多かったから、今回のロープ場で登り降りしやすくなったと思う。
何年か前までは、ここに3カ所のロープが設置されていたのだが、これですっきりしたかも。

紅葉にはまだまだ早い恵庭岳、西峰頂上直下にエゾオヤマリンドウが、本峰の頂上にイワギキョウがひっそりと咲いていたのみだった。

登山口から北峰まで1時間37分と順調だったけれど、その後西峰へは一寸バテた。
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登山口、9時26分スタート
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苔が綺麗
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オオカメノキの実
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倒木上更新
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オコタンペ湖が見えてきた
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そして羊蹄山と左に尻別岳
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真ん中に藻岩山と右に札幌市街。左端に日本海
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最初に北峰へ
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11時3分、北峰の頂上からオコタンペ湖
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アーチの木のあるコルからジャンダルムと本峰の頂上岩頭
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アーチの木のあるコルから西峰へ。先行者がコルにザックをデポしていた
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西峰と中腹に先行者
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西峰頂上直下のエゾオヤマリンドウ
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矢野果樹園で買ったリンゴをかじりながら西峰へ
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西峰から崩落が進む本峰の頂上岩頭
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西峰の頂上から、オコタンペ湖と後ろに小漁山
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本峰の頂上岩頭に取り付く先行者
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頂上手前の大岩に設置されていたロープが変わっていた
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頂上のイワギキョウ
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本峰の頂上標識
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頂上から、中央左に西峰
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支笏湖の奥に太平洋も見える
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頂上へのロープ。体格の大きい人は岩をすり抜けるのに一寸苦労するかも
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同上
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中央上の岩に今までロープと鎖が設置されていた
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ジャンダルムから、アーチの木のあるコルで休む先行者
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ルンゼからオコタンペ湖
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オオカメノキの実
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もうじき駐車場。ゲートが開放されオコタンペ湖展望台に向かう観光客の車が度々通るので、車にはねられないよう気を遣う

# by tarumae-yama | 2023-09-19 07:44 | 北海道100名山 | Comments(0)

今年の大雪山の紅葉は?

9月16日からマイカー規制が始まり、晴天の前日に(愛車で)登った赤岳の報告が、ヤマップの日記に沢山挙がっていた。

三連休中の今、晴天ならばロープウェイやシャトルバスで向かう登山者で大賑わいだろう。
だが、今年は猛暑の影響か例年より随分遅れているようで、むしろ3連休以降が見頃かも知れない。
といっても、下旬には降雪があってあっという間の紅葉狩りになりそうな気がしないでもない。

1週間ほどの前に大雪山の古い紅葉記事を載せたけれど、それが今私のブログの記事ランキングの1位になっている。
皆さん、ネットで検索して紅葉登山のタイミングを考えている様子がうかがえる。

日本で一番早い紅葉を迎える大雪山は、いろいろなルートがあってどれも楽しめると思う。
層雲峡からロープウェイに乗って黒岳から見る紅葉がお手軽と思うが、健脚者ならお鉢をぐるりと一周もお勧め。
私が好きなのは、銀泉台から赤岳だが、そこから緑岳や北海岳方面に足を延ばすのも楽しい。

もう一つ、愛山渓温泉から永山岳を通り、愛別岳から見る紅葉も素晴らしい。
安足間岳から当麻乗越を経由して沼ノ平を巡るのも大好きだが、当麻乗越からのグチャグチャの登山道には辟易する。

先日ヤマップで見た知人は、旭岳のロープウェイを使い、旭岳には登らず裾合平から中岳温泉を通り、北鎮岳、安足間岳、当麻岳、当麻乗越を経由して裾合平から下山していた。

このようにいろいろなルートを選べるのが、大雪山の魅力なのだろう。
古い記事だが、私も色々紅葉の時期に歩いているので、少し紹介しようと思う。

2016年9月12日、ロープウェイを使って旭岳へ、荒井岳から北鎮岳、安足間岳、当麻乗越を経由して裾合平から旭岳ロープウェイで下山

2015年9月16日、愛山渓温泉から永山岳、愛別岳、安足間岳、当麻乗越、沼ノ平を経由して愛山渓温泉

2021年9月15日、銀泉台から赤岳、北海岳、松田岳、中岳、黒岳、北海岳、赤岳、銀泉台

# by tarumae-yama | 2023-09-17 07:33 | 登山 | Comments(0)

五つのピークを踏んで恵庭岳(202回目)、2023.9.15ー速報版ー

7月に恵庭岳の登頂200回を達成後、次の樽前山400回と風不死岳200回の登頂を目指してこの二つの山に集中したため、久しぶりの恵庭岳だった。

前回より2ヶ月以上が経ち、登山道が結構笹被りしていたから、これからの時期の早朝に登る人は草露の洗礼を受けるかも知れない。
案の定と言うべきか、西峰直下でスライドした男性は、レインウエアの下だけ履いていた。
多分、朝露でズボンが濡れそうになったのだと思う。

退院から12日が経ち、紋別岳から樽前山、イチャンコッペ山、風不死岳へと負荷を上げてきた。
2日前の伊達紋別岳は、低山なのに案外距離があり、風がない上に気温が高く、湿度もあって蒸し暑く、退院後一番辛い山になったけれど、秋雨前線が南下し、大陸から移動性高気圧に覆われた今日は、空気がヒンヤリとしていてとても快適だった。
なので、一番辛いはずの恵庭岳は思いのほか順調だった。

雨上がりでスリッピーな登山道だったけれど、2800円の激安のトレッキングシューズはグリップ力があって、急斜面の下りでも不安を感じなかった。
ただ、耐久性に期待が持てないから、今から来シーズン用にもう1足注文しようかと思う。

ともあれ、速報版として写真を数枚アップした。
山報告は後日挙げたい。

写真の上でクリックすると大きくなります。
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中央に目指す恵庭岳。登山口に向かう途中の撮影
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最初のピークは北峰。右の標識は山友の制作だが、設置後初めて見た。バックに本峰の頂上岩頭
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北峰のピークでもう一枚。オコタンペ湖と奥に羊蹄山。今日は遠望があり太平洋も日本海も見えた
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中峰
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西峰の頂上。無意根山方面もバッチリ見える
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本峰の頂上。頂上へのロープの位置が変更されていたが、それは山報告で
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最後にジャンダルム
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本峰の頂上をバックにもう一枚


# by tarumae-yama | 2023-09-16 00:38 | 北海道100名山 | Comments(2)