昨日、「笑顔の素敵なあなたに」という本を読み終えた。
著者は上原寛奈という女性で、25歳の時に子宮体がんの告知を受け、子宮・卵巣などを摘出している。 本には、子供が産めなくなって、結婚前に女であることを否定されたような心情に陥った、その悩みや苦しみが赤裸々に書かれている。 また、抗がん剤治療の(副作用の)激烈さや、再発、死の恐怖、悪気のない友人達の言葉に深く傷ついたり、病室の戦友達の死を見送る辛さ、恋人や親に対する思いなどの記述に時々涙を流しながら読んだ。 2年前、妻が末期がんと告知されてからは、がんに関する本は何冊も読んだけれど、この本が一番心に響いた。 妻をがんで亡くしているのに、情けない話だが、この本から死の恐怖にあるがん患者の気持ちを些かは理解出来た気がする。 接する家族や友人、医療従事者達に対する思いも。 また、いよいよ最期を迎えるときそばにいて欲しいのは誰かについても触れている。 そこを読んで、妻に対して激しく後悔する事があった。 2月16日に亡くなる1週間ほど前だったか、何時もと変わらぬ時刻なのに、妻は「もう帰るの?」と言った。
多分、その頃死を覚悟したのかも知れない。 それなのに死に対する恐怖や孤独を思いやれず、そのまま帰宅したことを。 死に際して、そばにいて欲しいのは恐らく私だった思うから、「もう帰るの?」と言って落胆した妻の心情を思うといたたまれない。
by tarumae-yama
| 2016-07-04 06:18
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