12月11日、山スキーで樽前山

スキーは得意という腕前ではないし、ゲートから7合目のヒュッテまで片道6.9kmも重い兼用靴と山スキーで歩く気は殆どなかったのだが、カリカリに斜面が氷化する前の今なら頂上からの滑走を味わえるかもという期待がなぜかあった。

ゲート周辺の積雪は5cmほどと千歳の街より少ないくらい。
スノーモービルと週末のものかスノーシューのトレースがあり、有り難く使わせてもらった。5合目のゲートから先は積雪が増え2,30cmほど。ヒュッテ周辺で4,50cmくらいだろうか。

予定の2時間はかからずヒュッテに到着。-6℃と表示された温度計を横目に、登山者名簿に記帳してすぐに夏道を進んだ。

見晴台から先は吹き溜まりと吹き飛ばされたところが大きな段差になって連続しており、ここで大汗をかいた。
たまらず、枝に邪魔されながらも強引に林を横切り、すでに雪に覆われた高山植物帯の斜面に出た。
スキーがスリップするようになった標高795m辺りでスキーアイゼンを装着。
丁度アイゼンに適した雪面なのか、グイグイ登って行くが、さすがに頂上への直登は急すぎて無理なので、そのまま外輪山分岐まで氷と雪に覆われた夏道を歩いた。
次第に雪面が固く氷化していきアイゼンの歯が食い込まなくなった。
スリップすれば一気に300mは滑落し無傷では済まないだろうから、ここの突破が今回最大の難所。
ポールとスキーのアイゼンを強く踏み込み、片手、片足の食い込み具合を確認し、焦らず焦らずと言い聞かせ反対側の手足を出すという緊張のトラバース。
時間にして12,3分程か、分岐に到着したときは安堵の溜め息が漏れた。

頂上に到着すると、眼下の支笏湖が雪雲の下なのか判然としない。
それでも周囲の写真を何枚か撮り、スキーからシールを剥がしてザックに収納した。
強風の中では、この作業が私にはなかなか難しいのだが、今日はすんなり。
しかし、肝心の斜面は新雪ではなく、まるで鮫肌の様にガリガリザラザラ。
転倒したら、ここでもヒュッテ上の樹林帯まで一気に滑り落ちそう。

そんな状態だから、昨日豪快痛快爽快と書いたけれど、あれは全くのウソ。
転ばぬようスピードがつかぬよう2ターンしてはストップ。また2ターンでストップの繰り返し。
山仲間のぴよしろうさんなら颯爽と5分かからず下りるであろう斜面を、私はたっぷり20分かかった。

ようやくヒュッテに到着し、中で昼食を摂らせてもらった。
管理人のOさんと、コマクサの駆除の話やヒグマの話などあれこれお喋りを楽しんで別れを告げた。
外に出ると、降りしきる雪で樽前山も風不死岳もはっきりとしなくなっていた。

山行記録
ゲート08:32→5合目ゲート09:25~09:30→ヒュッテ10:15~10:17→頂上11:39~12:00→ヒュッテ12:20~12:48(昼食)→5合目ゲート13:01→ゲート13:44
GPSでの総歩行距離17.54km
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ゲート前にはヒュッテ管理人さんのRV車。ザックにスノーシューを納め山スキーで出発
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53分かかって5合目ゲート到着。スノーモービルのトレースが続いている。
降雪の後、樽前山噴火などの緊急避難のためにゲートまでスノーモービルでトレースを付けるそうだ。なので、降雪直後でなければモービルのトレースが期待できるらしい
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ヒュッテの直ぐ近くで、ここにヒグマの通り道があるらしい。正面に樽前山
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7合目のヒュッテとスノーモービル
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支笏湖がかろうじて見える。左端に風不死岳
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カリカリの斜面。夏道の柵の柱がまだ埋まらずに出ている
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風紋
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正面右手に外輪山分岐。左手に光る太平洋。急斜面に見えないがスリップしたら止まらない緊張の部分
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外輪山分岐に到着。樽前神社奥宮方面
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分岐から東山頂上方面、強風に飛ばされ稜線に雪はない
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スキーを担いでようやく頂上標識が見えてきた
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溶岩ドームからの噴煙
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頂上から、中央に雪に覆われた7合目駐車場と左にヒュッテ
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管理人のOさんがストーブに石炭を投入し室温を上げてくれた
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ゴール直前。Oさんの話だと、このスノーモービルの格納庫近くもヒグマの通り道だそう
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GPSの軌跡。林道歩きがとにかく長い
by tarumae-yama | 2012-12-12 14:57 | 北海道100名山 | Comments(10)
Commented by ポッケ at 2012-12-12 18:55 x
100山目の記念登山を樽前山で迎えられ、
さらにスキーで滑走され、充実ですね。
 
樽前山も積雪量が、着実に増えているようで・・
 
まだ年内の登山数が増えるかと思いますが、
来年の登山初めは、やはり樽前山ですよね!
Commented by ピータンまま at 2012-12-12 21:11 x
爽快ではなかったのですね
今日の記事を読んでどきどきハラハラしました
アイゼンが刺さらないくらいカリカリの斜面を登るなんて
恐ろしい~!!
本当に無事で良かったです。。。

こんな時期でも7合目ヒュッテの管理人さんは常駐してるんですね
お仕事なんでしょうか。
Commented by yah-_-yah at 2012-12-12 22:15
最大の難所は外輪山分岐手前の斜面ですかー。
分岐から東山山頂まではそんなに難しくはないのですか?
ここはやっぱアイゼンはもちろん、ピッケルもあった方がよさそうですね。

でも林道はとりあえずトレースは期待できそうですね。
ちなみに下りはスキーで滑るほどの傾斜ですか?

それにしても林道にヒグマの通り道があるとは・・・
樽前でヒグマ目撃情報なんて聞かないから、いないのかと思いました。
(いないわけはないんでしょうが)
Commented by tarumae-yama at 2012-12-12 22:52
ポッケさん
昨日は火曜日でしたから、声をかけてみようかとは思いました。しかし、ポッケさんもゲートの閉鎖直前に登ったばかりですし、もし天気が悪ければと思い単独で登りました。
年内、もう2,3回登れたら良いのですが、どうでしょう?

1月に樽前山の予定がありますが、週末なのでポッケさんをお誘いできないのが残念です。

支笏湖周辺の山の予定があれば声をかけて下さいね。
私に予定がなければご一緒します。
Commented by tarumae-yama at 2012-12-12 23:01
ピータンままさん
私もハラハラでした。
ブログで紹介した今年1月9日の時も、この区間はアイゼン組は大丈夫でもスノーシュー組には危険なので頂上を経由して下りました。
ピータンままさんのアイゼンならよほどのことがない限りトラバース出来ると思います。
でも、経験を積んでからの方が安心ですね。

スキー滑走も思っていた以上に斜面がカリカリで、傾斜が緩むまでやはりハラハラでした。

ヒュッテの管理人さんは、休みの時は苫小牧のご自宅に戻りますが、基本はずっと小屋で寝泊まりします。そんな生活がもう5年になるそうです。
Commented by tarumae-yama at 2012-12-12 23:24
yahさん
1月に登るときはここを通るつもりはありません。
木段が始まるところからまっすぐ頂上を目指します。今年1月9日の記事を読んだかも知れませんが、同じコースです。スノーシューで上がれると思いますが、難しいようならアイゼンに切り替えます。ピッケルはなくてもストックでOKかと。
カリカリ斜面でスリップしたときは、私もそうですが多分初心者にはピッケルで停められないと思います。最大の難関は強風かも知れません。

管理人さんの話から、トレースは期待しても良さそうですね。
スキーの林道滑りは、5合目のゲートまで殆ど漕がないで済みますが、そこから下のゲートまでは上りもあり、それほどのメリットはありません。
むしろ、林道の往復のためだけなら私はずっと軽い歩くスキーを使います。

ヒグマは、「樽前山の四季」のKさんが林道を下っているときに目撃しているそうですし、管理人さんも親子熊を見ているそうです。
私は樽前山はもちろん、風不死岳や紋別岳でも見た事はありませんが、支笏湖の外輪山巡りの時に何度かヒグマの足跡は見ています。
なので、夕方や一人の時は熊鈴を常時携行した方が良いかと思います。
Commented by shizuko0421 at 2012-12-13 09:42
☆100山達成おめでとうございますー♪Congratulation!!☆
ワショーイ!\(^o^)/ワショーイ!\(^o^)/
単独で登頂されたなんて、tarumae様だから出来る事ですね!
レポ、手に汗握りました!
トラバースが―――(T□T)強風が―――(T□T)
やはり、ピッケルは初心者には使いこなすの難しいのかな?

写真、風紋がとても綺麗ですよ♪
冬にしか見られない景色…見たいです!
見たいんですが・・・ここ最近の悪天候と豪雪で参りそうです。。

taru様は今回の樽前登頂後、今年はもう登られないんですか(T△T)
こちらは風不死も、今月中に行けたら良いかな?と思います。
天気が良かったら元旦のご来光登山も・・・☆
雪、少し落ち着いて欲しいなあ~(^▽^;)
Commented by tarumae-yama at 2012-12-13 12:52
しずさん
コメント有難うございます。
トラバースで緊張した所は山スキーだったからで、アイゼンがあれば問題ない部分ですし、何より今はわざわざ夏道を遠回りしなくても頂上へ直登出来ます。
もし1月にご一緒出来れば直登の予定です。

カリカリに氷化している斜面ではピッケルの刃がなかなか刺さらないので、そんな状況では先ずスリップしないよう気をつけるしかないですね。
でも、ピッケルワークに慣れておくのは大事だと思いますので、安全な斜面で2,3度トレーニングをしておいた方が良いかと。
偉そうに書きましたが、私はすぐパニックに陥る方なので全然説得力がありません。

風不死岳(の北尾根)は、吹き溜まりや頂上直下の急斜面の上りや下り等々夏より条件が格段に厳しくなっていると思いますので、十分気を付けて登って下さいね。
私も今月中に登りたいとは思っているのですが、単独では自信がありません。

樽前山の御来光登山、実現出来たら良いですね。
ヒュッテの管理人さんのお話だと、札幌のご夫婦を含めまだ4名ほどの予約だそうです。
15,6名泊まれるようなので、山仲間と検討してみたらどうでしょう。
Commented by スズ at 2012-12-13 18:36 x
スズ@職場です。こんばんは。一息ついてます。

遅ればせながら本年100山目おめでとう(^^)。
モラップのゲートからだとやはり大変だったみたいですね。
ゲート周辺は雪が少ないとのことですが、
針葉樹林が積雪を防いでくれてるんでしょうかねぇ。

外輪山分岐までをトラバースすると
一歩間違えて滑落でもしたら大変なことになりますね。
写真で緊迫感が十分に伝わってきます。
「ここ、行くんかい!!」って感じ。
いやぁ、想像しただけでもおっかないです。
それでも思い入れがあると行っちゃうんですねぇ(^^;。

ざっくり片道8kmほどでしたっけ?
そりゃ、ツムラ68の御世話になるはずです。
御大事にどうぞ。
Commented by tarumae-yama at 2012-12-13 21:15
スズさん

コメント有難うございます。
仕事が忙しそうですね。

今シーズン初めてなのでスキーと兼用靴の重さが太ももにダメージを与えたようです。これだけ登っているので、翌日の階段の上り下りに痛さや疲れを感じることはないのですが、今回はまだ太ももが自分のものでないような。
登山でも普段使わない筋肉を(スキーで)使ったのですね。

トラバース中、段々スキーアイゼンの食い込みにてごたえが少なくなり、まずいなぁ~とは思いましたが、カリカリの急斜面ではバックもUターンも難しくて・・・・。
7年前、漁岳の頂上直下でバランスを崩して滑落、スキーを沢に流したことがありますが、その時の経験から進むことを選択。まあ行けると確信はありましたが、分岐に着いたときは正直ホッとしました。

1月にyahさん達と樽前山にアイゼン登山はどうですか?
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