昨日、西本智実の指揮によるラトビア国立交響楽団のコンサートに行ってきた。
結論を先に書くと、後半のプログラムのショスタコーヴィチの交響曲第5番は涙が出そうになるほど感動した!! いや~、本当に素晴らしかった!! ただ、西本のチケットは今日本では一番入手が困難という話であったから、札幌の会場「キタラ」の空席の多さは意外だった。 当日券のS席とA席は売れ残った様子だから、演奏が始まったときは9割も埋まらなかったのではないだろうか。 それはともかく、1曲目のワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガ-」より第1幕への前奏曲、ラトビア国立交響楽団がどのような音を出すか耳に神経を集中させて待ち構えた。 金・木管楽パートの音には厚みがあって期待以上だったが、弦楽パートは音が細いと感じたのは圧倒的に女性楽員が多かったせいなのかも。 総じて、この曲の演奏はそれほどとは思わなかった。 2曲目のドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調は余りにも有名な曲で、演奏は家内の大好きなミッシャ・マイスキー。 普段CDで聴く音は、もっと太く温かで艶やかだと思っていたが、今日のチェロは今ひとつ魅力を感じなかった。 西本に巨匠マイスキーへの遠慮が働くのか、全体を通して感動を覚えるという程の出来ではなかった。 だが、アンコールで弾いたチャイコフスキーの歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりレンスキーのアリアは、マイスキーの情感溢れる素晴らしい演奏だった。 15分ほどの休憩を挟み、後半は前述した交響曲第5番、40分ほどの長さだが、最後まで神経を集中して聴き切ったのは最近覚えがない。 それほど短く感じたし、ピアニッシモからフォルティシシモへの曲の盛り上げ方が凄く、ただただ素晴らしく、曲が終えたときは感動でウルウルとなってしまった。 スタンディングオベーションが起き、いつまでも拍手が鳴り止まない風であった。 長くなるが、コンサートの感想をあれこれ書いてみたい。 まず、「キタラ」の音響の素晴らしさを昨日は実感した。 世界の有名な指揮者の多くが音響の良さを賞賛したと言うが、楽器の一つ一つの音が本当にクリアに聞こえ、大音量でも心地の良い響きであった。 西本智実の指揮は、想像以上に格好良かった!!! 思っていたより背が高いと言う外面的なスタイルの良さだけでなく、その指揮ぶりは明快で歯切れ良く躍動し、それでいて女性らしい優しさときらびやかさがあって惚れ惚れするほど。 どんなに言葉を重ねても形容できないほど、特に5番の指揮では魅力的であった。 追っかけの女性ファンが多いというのも頷けるような気がする。 最後にラトビア国立交響楽団については、先に男性団員の数をカウントした方が早いと思えるほど女性楽団員が多い。 ワーグナーやドヴォルザークの曲では弦パートが弱いと感じたが、ショスタコーヴィチの第5番ではそれが消え、バランスのとれた端正な音でとても素晴らしかった。 ピッコロとフルートは皆女性だったが、(多分主席の)フルートは全ての曲を通して際立って(音が)良かった。 あの札幌冬季オリンピックで有名になったジャネット・リン(知らない?)を思わせる金髪ショートカットスタイルで余計素敵なフルーティストだった。 以前、山の師匠である小樽のAさんに、このコンサートの話をして西本のCDを貸したところ、(CDの)演奏に感動し、同僚のKさんを誘ってチケットを買ったと連絡があった。 そんな訳で、コンサート終了後、札幌駅地下の居酒屋で4人が合流し、ビールとヤキトリ、ピザなどあれこれ注文し、2時間近くもコンサートの話題を中心に盛り上がった。 ただ、家内はミッシャ・マイスキーの演奏(姿?)に感激し、胸一杯お腹一杯と言うことで殆ど口にしなかったが。 高額なコンサートで、CDを3,4枚買った方がましだったと思う演奏に当たることがあるけれど、西本とラトビア国立交響楽団の5番は、そんなことを微塵も感じさせない感動感激の演奏だった。 何はともあれ、いや~、本当に良かった!! 西村智実オフィシャルブログはこちら(青文字をクリックして下さい) 札幌コンサートホール「キタラ」の外観 「キタラ」の内部 同上 「キタラ」の大ホール、演奏前に断って、白い円内にS席のAさんとKさん 演奏後「キタラ」で購入したマイスキーのCD、購入者にはマイスキーがサインをしてくれるという特典があった
by tarumae-yama
| 2010-11-29 11:02
| 音楽
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Comments(4)
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maatota
at 2010-11-30 00:29
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ふふふ、お二人のご満悦さが、バッチリ伝わりましたよ。 やーっぱりぃ、「智さま」の指揮は、超カッチョ良かったでしょ!! 惚れ惚れしちゃったことでしょう、判ります、判ります、ふふふ。 コンサート終了後の四人の盛り上がりが目に浮かびますよぉ。 興奮冷めやらぬ・・で、ピーチクパーチク・・ふふふ。 それにしても、AさんとKさんのS席って、スッゴイ場所ですねぇ。 チケットも相当したのでしょうねぇー
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tarumae-yama at 2010-11-30 09:28
maatotaさん
確かに、コンサート終了直後は年甲斐もなく興奮して舞い上がっていましたね。 Aさんからも未だ感情冷めやらぬメールが昨夜届きました。 正面の一番近い位置から指揮者を見ていた訳で、5番の演奏は表情が違っていたと書いてありました。 私達はバックスタイルしか見ていない訳で、羨ましいですね。それでも十分格好良かったです。 因みに、S席は12000円です。
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tarumae-yama at 2010-11-30 21:19
maatotaさん
横入りのクーです。 智様とマイスキー様・・もう夢のようでした。 マイスキー様は数十年前にソロの演奏会で聴いているのですが なんと今回はCDを買うとサインをしてもらえたのです。 「握手はご遠慮下さ~い」と係の男性が叫んでたので駄目でしたが 目の前にマイスキー様がぁ~・・。智様の指揮も思っていた通りブラボ~! 終演後、ワインなんぞ飲みながら公演を歩きたかったのですが焼き鳥屋さんに直行(笑) 焼き鳥屋さんの割引券があったから・・。ふふふ。 でも4人で音楽談義?・・楽しかったですよ。 maatotaさんも山がオフのシーズン、生演奏鑑賞、お薦めしま~す。
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tarumae-yama at 2010-11-30 21:22
maatotaさん
↑まだ平常心じゃ無いらしく公園の字、間違えました~。
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